B's Int'l.

ブランド力はあるのに販売数につながらない……
そんなジレンマを打破!社内の意識が変化。有能な人材を見出し、長年の課題だった社長交代・事業継承も成功

株式会社ビーズインターナショナル
代表取締役社長 皆川 伸一郎様

会社名
株式会社ビーズインターナショナル
設立
1990年12月
資本金
4500万円
従業員数
262名
事業内容
衣料品・雑貨品企画販売、販売促進活動、EC事業、映画配給
Webサイト
bs-intl ビーズインターナショナル >

コンサルティングを依頼した感想

巷のブランドイメージと
実際の売り上げの乖離を埋めるべく導入

QUESTION

弊社では、現在XLARGEやX-girl、MILKFED、SILAS等のブランドを持ち、衣料品・雑貨品の企画販売事業をしています。創業は1990年、私が25歳のときです。以前働いていたカナダの会社から委託されたカウチンセーターが最初ですね。その後アメリカの都市を回り、店頭で買いつけたラルフローレンやLL BEANなどのアメカジブランドの卸売りもしています。創業から10カ月ほどでブラックカルチャーを背景にもった米国「スレッズフォーライフ」社のブランド『CROSS COLORS(クロスカラーズ)』の代理店となり、会社の規模が大きくなっていきました。

QUESTION

私自身がファッションと距離を置いて客観的に事業を見てきた、というのはうまくいった要因のひとつかもしれないですね。私はもともと服飾の専門学校に行ったり、デザイナーを志したり、ファッション業界で働いた経験があるわけではありません。特別ファッションに思い入れがあったわけではなくて、ただ日本とアメリカを行き来するような仕事をしたいと思っていたんですよ。たまたまそこで良いブランドに出会ったというだけです。
だから、自分ではわからない部分をわかる人に助けてもらわなければならない。そうすると、自ずとちゃんとファッションのことがわかるスタッフを採用するようになりますよね。知ったかぶりをしたり、にわかの知識をつけたりするのではなく、わかる人に任せるということを一貫してきました。

QUESTION

一番の課題は、店舗の売りの弱さでしたね。ブランド自体は評価されていたんですが、実際は巷で思われているよりも多く稼げていなかったんです。店舗数も数十ありながら、売り上げは思うように伸びていない。ECで3割近くの売り上げがあったのですが、これはECが売れているというよりは、小売店が売れていないということなんじゃないか、と。もちろん時代的にはECも伸ばすべきなんですけど、ブランド力があるのだから、リアル店舗でももっと売れるはずだと思っていました。そのため、目下の課題は販売力をつけること。ただ、どうすれば販売力がつくのか、という具体的な対策は講じられていませんでした。

QUESTION

すごい会議を知ったのは、普段読んでいるビジネス誌の特集記事でしたね。よくある考え方を指導するようなセミナーやコンサルと違い、実業を通して企業の中にある課題そのものをコンサルしていくというやり方に興味をもちました。これならスピード感もあるだろうし、実際の業績に結果が出るんじゃないだろうか、と思って。そんなとき、ちょうど知り合いのある方に「すごい会議って知ってる?」と勧められたんですよ。その方も実際に導入していて、すごく良いとのこと。「特に自分のコーチが優秀なんだ」というので、紹介してもらうことにしました。それが段原 尚輝さんです。






経営幹部・全店長・ブランド別・EC等複数プロジェクトで導入、数字を意識する社内文化が定着し、ステップアップする社員も多数

QUESTION

今は、経営幹部のプロジェクトに加えて、『XLARGE』や『X-girl』といったブランドの全店舗の店長を交えた全店長会議も行っています。あとは、ECや別ブランドにも導入しています。

QUESTION

まずは、社員の意識が大きく変わりましたね。今回の導入には、販売力を上げたいという理由に加えて、経営幹部やマネージャーのノウハウ不足も解消したいという思いがあったんです。
経営幹部やマネージャーに対しては、これまで何度か「売り上げではなくて利益を見てね」という話はしていたはずだったのですが、なかなか浸透しなくて……。そこで段原コーチに入ってもらったところ、会議で数字を発表し、次にどうするか考える、という流れが組み込まれました。そういった変化に伴って、利益を意識する文化が定着していったんです。なかなか利益にまで気が回りづらい層のスタッフにまで、売り上げやその他の指標を見て数字を意識する姿勢が広まっていったのには驚きましたね。

QUESTION

特に印象的だったのは、EC担当マネージャーの変化ですね。ECは弊社の3割強の売り上げを担う部署ですが、実はその担当マネージャーがなかなかリーダーシップをとれていないと感じていました。正直なところ、彼に任せるのはやめて、外部からマネージャーをヘッドハンティングしようとも考えていました。そんな時期にすごい会議を導入したところ、担当マネージャーの意識が一気に変わったんです。数字を強く意識して、リーダーシップを発揮するようになりました。現在では、日本だけでなくアメリカのEC部門も統括して任せることにしています。売り上げ3割強の部署を担うリーダーとして、ふさわしい人材になってくれたと思っています。

QUESTION

他のメンバーも成長していますよ。導入を決めたときは、ついてこられない人もいるだろう、と思っていました。言葉は悪いですが、このプロジェクトを通じてふるいにかけるような意識が私にはありました。ただ、思ったよりも脱落者が出なかった。そこにまず驚いています。諦めずに頑張って、このプロジェクトを通してステップアップした社員は多くいます。その一方で、頑張っているけれどまだ成長しきれていない社員もいます。そこをどうするかは、新しい課題ですね。

店舗売上は昨年対比50%アップ、
接客の考え方を変え行動に移して貰うことでセット率が大きく向上

QUESTION

最初は店長たちがついていけるのか不安な部分もあったのですが、始めてみたらむしろ経営幹部の会議メンバーよりも飲み込みが早かったですね。店舗のことだけをテーマに話し合っているため、わかりやすかったというのが要因というのもあると思います。
ちなみに店舗の売り上げは、昨年対比で50%ほどアップした状態で推移しています。ちょうど90年代スタイルのファッションというのがトレンドなので、その波に乗っていたというのもあるとは思いますが、売上アップの半分以上は段原コーチのおかげと感じています。

QUESTION

「セット率」が大きく向上したことですね。やはり小売業なので、客単価を上げることが大切です。そのためには、商品一点だけではなく、他のものも合わせてセットで買っていただくことが必要。お客様が商品を買う際に、例えばコーディネートの提案をして、他の商品も買っていただくようにするといった具合ですね。
もちろん、これまでもそうした工夫をまったくしてこなかったわけではないのですが、他の商品を一緒に提案して、お客様にもっと喜んでもらうというところまでやりきれていなかった。意識としてはぼんやりあったものの、行動に移せていなかったんです。それが現在、「セット率を上げる」という考え方はほとんどの店舗で根づいています。

QUESTION

まずは「セット率を上げようね」というひとつの目標を作り、そのためには何ができるかな、と具体的に考えるようになりました。それが接客を見直すきっかけになったんです。今まではただ「接客して」としか言っていなくて、具体的な対策を講じていなかった。
それが、店舗ごとにロールプレイングで接客シミュレーションをするようになり、接客のうまい店員さんのやり方がその店舗で共有されるようになりました。どういうアプローチをすればお客様に喜んでもう一点買ってもらえるのか、というあり方とテクニックを他の店舗に対しても教育できるようになったことは大きいと思います。

段原コーチの組織コーチングを通して会社を引っ張ってくれる有能な人材を選別、
事業継承へ

QUESTION

もともと私は30代の前半あたりから、いずれはもっと若い人や自分よりもできる人に事業を任せようと思っていたんですね。20歳前後のお客様をターゲットにしているビジネスを、自分がずっと指揮していくのはおかしいなと考えていました。ただ、業績が想定よりも伸び続けていることで私が抜けにくかったり、良い人材をみつけても頓挫してしまったりと、なかなか事業継承をすることができなくて。そうして経営者の若返りを実現できないまま、私も40代に入ってしまったんです……。
そんなタイミングで、M&Aのオファーをたくさんいただきました。私はこれだけブランド力があり、グローバルな権利も持っているのだから高い評価を頂けるだろうと思っていたんです。でも実際に評価額を見たら、思っていたよりかなり低かった。
それは海外展開をしていなかったことが大きな要因なのですが、私が20数年かけてやってきたこの会社がまだこの評価額しかつかないというのは、やはりやり方を間違えていたんだと思いました。そこですべてのM&Aのオファーを断り、会社の価値を上げることを目標に組織改革をしようと決めました。そして、その実現のために導入したんです。それと同時に、このプロジェクトを通じて、会社の価値を上げるために引っ張ってくれる人材は誰なのかを明確にしたいと考えていました。

QUESTION

そうですね、このプロジェクトがうまく機能し、現在の代表取締役社長である西方(西方雄作氏)を後継者として指名することができました。会議を通じて、他の幹部たちやマネージャーたちが西方の優秀さを認めた上での引き継ぎになったので、社内での不協和音のようなものも起こらず、うまく回っていると思います。

QUESTION

むしろ私がやっていたときよりもうまくいっているんじゃないでしょうか(笑)。西方の方が幹部たちとも歳が近いので、良い関係を築けているみたいですね。創業者である私は幹部やその下の管理者たちと10歳以上離れているため、彼らもどうしても遠慮してしまうことがあったと思うので。
自分自身に関しては、やっぱり「安心感を得た」というのが大きいですね。正直、会長になってもほぼ毎日会社に出勤しているし、海外出張もあるし、以前と生活はあまり変わっていない。会社にいる時間だけで見たら、西方より長いかもしれません(笑)。ただ、西方がいるから大丈夫だろうという安心感がある。それまでも現場は任せてきたつもりではあったけど、どうしても払拭しきれない不安がありましたから。
それに、導入したことで、社内の様子が見える化出来る、よくわかるんですよね。もし西方のやり方がおかしければ、他の幹部から声が上がるはずですから。金脈会議(週に1回の進捗会議)に参加すれば、みんなのコミュニケーションがうまくいっているかどうかも一目瞭然ですし。誰が成長しているか、逆に誰が成長していないかも分かります(笑)そこも安心感を得た理由でしょうね。

QUESTION

海外展開ですね。いままで自社のブランドを海外に売りに行くことは、積極的にしてきませんでした。世界的においしい市場である日本でしっかりやっていれば、十分だと思っていたんです。下手に海外に進出することで、ブランドが毀損するのが怖かったというのもあります。でもM&Aでの評価をみたら、結局は海外進出をしていなかったことで、思っていたよりもずっと低い評価額になってしまっていた。それならばと西方にアメリカ市場への全面的な戦略見直しを指示し、私自身もアジア諸国に出向いてパートナー探しをするなど、積極的に海外進出に力を入れるようにしています。幸い海外からの引き合いも多くあるので、良い風が吹いているうちに形にしたいなと思っていますね。

QUESTION

利益の最大化に真剣に取り組み、それを実現することで次に自分たちがブランドを通じてやりたいことをどんどん実現できる、そんな会社を目指しています。利益の積み上がりを結果に応じて報酬として還元することを約束しスタッフの私生活の充実を応援する、それがより優秀なスタッフの確保に結び付き、そこに段原コーチのレクチャーが加わって、さらなる利益を呼ぶ。
そのサイクルの実現が会社の高い評価・信用力の増大を呼び、さらに自分たちがやりたいことをやれる環境を生み出すという理解が共有されていることが強みですね。

メンバーに期待することは、どうしたら一番効果的なのかを自分で考えて行動し、
クリエイティビティを発揮すること

QUESTION

自由な発想をもって、どうしたら一番効果的なのかを自分で考えて行動してほしいですね。たとえ私が横から「こうしたほうがいいんじゃない?」などと口を挟んでも、簡単に合意するのではなくて、ちゃんと自分で考えた上で「それは違う」とか「いや、こっちの方が……」と提案してほしい。
そのためには、広く浅くでもいいのでいろんなことに興味をもって、アンテナを高く張っておくことが必要だと思います。私が即座に新しい提案ができるのは、自分の持っている複数の知識を結び付けて発想できるからです。もちろん必ずしも私と同じやり方である必要はないですが、クリエイティビティを発揮できるような人材であってほしいと思っています。

QUESTION

弊社は国内外のストリートカルチャーを発信する会社です。ファッションやライフスタイルをストリートカルチャーの切り口で編集し、自らのブランドや業態の商品やサービスに落とし込んでお客様に提案します。そのために働く仲間は日々、アンテナを張って情報を収集し続けることが求められます。
現在のブランド力による優位性をさらに発展させることで、かかわるすべての人に喜びやほこりを与え、それを分かち合い、共に進化し続けられる集団であり続けます。

何よりも結果が出るのが一番!
段原コーチを選び続ける理由

QUESTION

最初に幹部の会議でコーチングしてもらった際に、しっかり結果が出たというのが一番大きいです。「経営幹部」「XLARGE・X-girl」「EC」そして「全店長」と色んなプロジェクトでコーチングをしてもらいましたが、会社が実際に利益をとれるようになっている。結局のところ、そういった実績が信頼を生んでいます。たとえどれだけ良い人で、社内のみんなが成長したなと感じられても、結果として利益が出ていなければ、コーチングを依頼する経費は捻出できなくなってしまいますから(笑)。段原さん以外の人を選ぶ気はまったくないですね。

QUESTION

ネガティブな意見は聞いたことがないですね。スタッフと歳が離れていないというのも大きいと思います。もし私くらいの年齢の人が同じことを言ったとしたら、ここまで共感してもらえなかったかもしれない。
それから、これは言われて初めて自覚するようになったのですが、私自身がメンバーにとってだいぶ怖い存在だったらしいんです。段原さんがたまに厳しい姿を見せても、結果を出しているコーチなのだからもっと高圧的でもいいんじゃないかなと思っていたのですが、その加減が彼らにはちょうど良かったようです。変に萎縮せず、良い緊張感をもって会議に臨めていると思います。“エンジンがかかる厳しさ”なんでしょうね。

QUESTION

良いコンテンツをもっているんだけれども、それが利益や売り上げにつながっていない会社でしょうか。弊社のように、巷での評価も自負もあり、ポテンシャルをもったコンテンツをもちながら、売り上げ的にブレイクが起きていない……そんなジレンマを抱えている会社、そういう会社にブレイクスルーを起こせると思います。
もっと成長できるはずなのに、その数字が伸びていない理由はわからない方は、ぜひ段原さんの組織コーチングを試してみると良いのではないでしょうか。

本日は貴重なお話、ありがとうございました!

2018.01.16

お知らせ NEWS

  • 2018/9/10

    WWD(2018年9月10日号)に掲載されました
    「ミルクフェド」が立て直し2年で売上高5倍へ

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