TANOISEISAKUSYO
部署ごとの古い慣習や固定観念を捨て、
会社全体で迅速に意思決定できる組織へと変化。
参加者全員が積極的に意見を出し問題解決するように
株式会社田野井製作所
代表取締役社長 田野井 優美様
- 会社名
- 株式会社田野井製作所
- 設立
- 1923年11月3日
- 資本金
- 5,000万円
- 従業員数
- 150名
- 事業内容
- タップ・ダイスの製造業及び販売業
- Webサイト
- 田野井製作所 >
コンサルティングを依頼した感想
全員が同じ方向を向き、統一感を持って迅速な決定・実行ができる組織につくり変えるために導入
QUESTION
まず御社の事業内容を教えてください。
タップとダイスという、ネジを作るための精密工具の製造販売をしています。タップはネジをはめ込む穴側に螺旋状の溝を作る工具、ダイスはネジ本体の先端にある螺旋部分を作る工具です。
1923年に私の祖父が創業し、私が5代目社長として就任したのが2013年になります。今年11月には創業100周年と社長就任10周年を迎えますので、祖父から連綿と受け継いだ会社をこれからも発展させていきたいと考えています。
QUESTION
すごい会議導入前の状況と問題意識、なぜ導入したかについて教えてください。
社内のコミュニケーションが悪いわけではありませんでしたが、組織として全員が同じ方向を向き、スピーディーに決定・実行するという部分がどこか脆弱だと感じていました。それぞれの社員は一生懸命やってくれているのですが、今一つ統一感やスピード感がないというか。
また、ここ数年のコロナ禍で市況もめまぐるしく変化していましたので、部署を超えて同じ方向を向き、迅速かつパワフルに決定・実行できる組織に改めて作り替えないといけない、と思っていました。
そんなタイミングで、以前より親交のあった段原コーチからすごい会議について伺ったので、一度弊社に来ていただいて、私と幹部で詳しいお話を聞かせていただいたんです。
そこで、弊社の課題がどこにあって、改善するには具体的にどんなアクションを進める必要があるのかを非常にクリアにかつ具体的に言っていただき、
「これなら、社員によって課題への温度差やスピード感に違いがあっても、そこを高い基準で統一していく組織にできるのでは」と感じ、導入を決めました。
「紙に書いて順に発表」の仕組みで、全員が積極的に意見を出せるように
QUESTION
導入したことで起きた最も大きな変化はなんですか?
会議の際に、全員がしっかりと自分の考えを言えるようになったことです。
以前までの会議では、黙っている人はずっと黙っていて、積極的に話す人ばかりが意見を出すという状況だったのですが、導入してからは、全員が発言して、自分の意見をしっかり表すようになりましたね。
これに関しては、全員がまず意見を紙に書いて、順番にそれを発表していくという仕組みが非常に効果的だと感じました。
このやり方だと、突然指名されて何かを言わなくてはいけないという不安もありませんし、しっかり考えをまとめてから発言したいタイプの人も焦らずに意見を出すことができます。
その上で、誰の意見かは関係なく、みんなで承認して良い意見を採用していくので、以前の会議で「自分の意見はどうせ取り入れてもらえないだろう」と思って黙っていた人でも、意見を言って採用されるようになりました。
この仕組みによって、みんなが意見を安心して出せる→今までになかった意見が出てくる→平等に良い案が採用される→みんながさらに積極的に意見を出す、という好循環が生まれました。
QUESTION
全員が意見を言えるようになったことで、今までになかったアイディアも生まれてきているのでしょうか?
はい、そうですね。以前の幹部会議は部長職以上でおこなっていたのですが、最近は係長職のメンバーにも参加してもらっています。
以前ですと、係長メンバーが出席しても黙っているだけだったと思うのですが、今の仕組みになってからは係長メンバーからも積極的に意見が出ています。
実際に、今回のすごい会議で決めたプロジェクト名もミヤギタノイ(宮城県の製造工場)の係長の意見が採用されました。
私としても「この人はこんな意見をもっていたんだ」と知ることができて新鮮ですし、これを繰り返し続けていくことで意見交換がさらに活発になり、もっとさまざまなアイディアが出るようになるのではないか、と期待しています。
QUESTION
導入後、最も印象的だった出来事はなんですか?
すごい会議で取り入れた共通言語が、社内でも頻繁に使われるようになったことです。
社内の他の会議やちょっとした相談の場面でも、みんな共通言語である「提案があります」「質問があります」「ヨッ!(と言って承認する)」といった言い回しを使うようになっていますね。
社内に共通言語ができていくことで、コミュニケーションがより円滑になっていると感じます。
PMOに任命した社員が圧倒的に成長
固定観念や古い慣習に縛られず、本質的な問題解決がし合えるチームに変わった
QUESTION
最も大きく変わったメンバーはどなたですか?
PMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)は、役割を通じて大きく変化してくれたと感じています。
PMO任命後、一生懸命みんなをまとめようとしてくれたり、どうすればスムーズにファシリテートできるか試行錯誤してくれたり、ミーティングの進行や事前準備を工夫してくれたりと、彼はこの半年で大きく変わって、ブレイクスルーしましたね。
QUESTION
PMOのそうした変化は、何によって起こったと思いますか?
役割を通して周りに承認されていくことで、小さな自信を積み重ねていき、それが大きな変化につながったのではないでしょうか。きっと最初は彼も「自分にはできないかもしれない」と不安だったと思うのですが、PMOの役割を果たしていく中で徐々にやり方が分かっていき、そこで周りから「すごいね!」と承認され、自信をつけていったのだと思います。
また、段原コーチと密にやり取りできていることも大きいですね。
自分ひとりだと正解が分からないことでも、段原コーチに連絡して「これでいいですか?」「この件についてミーティングしたいです」と確認することで、確信をもって進められているのだと思います。そうやって積極的に聞けるところも彼の長所ですね。
QUESTION
チームにはどんな変化が起こりましたか?
固定観念や過去由来の考え方、古い慣習を超えて、「本当の問題はどこですか?」「どうやって解決しましょうか?」と本質的な問題解決ができるチームに変わってきたと思います。
以前は、例えば営業や工場などの部署ごとに、「これは昔からこういうやり方だから変えられない」というような固定観念があり、そこで思考停止していた部分がありました。
しかし、部署を超えて経営課題にみんなで取り組む形になり、他部署に対しても「そのやり方はそもそも効果的じゃないのでは?」といった意見が出てくるようになったんです。「昔からのやり方でも、目標に対して効果的でなければ必要ないですよね」と当たり前に言うことができ、言われた側も「確かにそうですね」と当たり前に受け入れられる土壌が、出来てきていると感じています。
先日の会議でも、少なくとも20年以上解決しようとしてしなかった重要な問題が解決に向かっていて、大きな手応えを感じています。
一方で、これまでのある種ぬるま湯的な組織に慣れていた人には、居心地が悪い部分もあると思います。実際に、部署によっては会社を去る者も出ています。
ただ、これは組織に必要な変化だと思いますし、組織の新陳代謝をおこなう中で、最終的にはこうした変化を前向きに捉えて「頑張るぞ!」と言って残ってくれたメンバーが、より強靭で洗練されたチームになっていくのかな、と感じています。
人と人との関係性やつながり、チームワークを意識し、一人ひとりの可能性を最大限に活かせる組織を作っていきたい
QUESTION
ご自身にはどんな変化が起こりましたか?
決断がしやすくなりました。
メンバーの質問や提案が簡潔で明確になってきたので、私の意思決定もスムーズになりましたね。
これまでは「あれがこうで、これがこうなって……」と説明や回り道が長くて、私も何を決めればいいのか、何について聞かれているのか分かりにくく、その結果課題が持ち越されてしまうことが多かったんです。
それが今は非常に端的で分かりやすいので、こちらもすぐに決断できてとても助かっています。
QUESTION
社員のみなさんの質問や提案が明確になったのは、何が理由だったと思いますか?
会議を繰り返す中で、「結論が先、理由は後」という提案のフォーマットを身につけたり、「それは解釈なのか、事実なのか」という区別をする癖がついたりしたことが大きいですね。
導入初期に比べると、みんなそこを意識するようになってきているので、どんどん簡潔かつ分かりやすく言語化できるようになってきたのだと思います。
QUESTION
御社の目指す未来について教えてください。
弊社は製造業ですが、私自身は物づくり出身で社長になったわけではありません。
そんな私が製造業の社長をやるからには、人と人との関係性やつながり、チームワークを意識し、社員一人ひとりの個性を活かせるような働き、言うなれば「人づくり」をしなくてはならないと考えています。
今回のすごい会議を通じても感じたのですが、やはり人間は十人十色で、それぞれに個性や可能性をもっています。
その一人ひとりの可能性を最大限に活かせる組織を作っていきたいですね。
その上で、一人ひとりが経営者のような、自分のキャラクターに合った提案や意見をどんどん出していける会社になれば良いな、と思っています。
段原コーチは会社を客観視して、本質からズレた時に軌道修正してくれる存在
QUESTION
すごい会議の一番の価値はどこにあると思いますか?
すべてが明確であることでしょうか。
戦略的フォーカスと呼ばれる目的・目標がはっきりとあり、毎回その目標を「こうでしたよね」と事実確認し、みんなで声に出して唱和する。
そして、その目標を判断基準として、達成までにどんな課題があるのか、何が効果的で何が効果的じゃないのか、何をすべきなのか、はっきりと言語化する。
目標に対して効果的かどうかという判断基準のもと、すべてのプロセスが明確になっていて曖昧さがないところに価値があると思います。
QUESTION
御社にとって、段原コーチはどういう存在ですか?
会社を客観視してくれる存在だと思います。非常に冷静かつ的確に会社を見て、質問や提案を投げかけてくれるのでとてもありがたいです。
弊社は製造業なので、最初は「どんな風にアプローチされるんだろう?」と思っていたのですが、「製造業だと確かにそうですよね」と変に迎合するのでもなく、かと言って業界を理解されないまま「それは必要ないです」と決めつけるようなこともなく、業種に関わらず物事の本質を捉えた質問や提案をしてくださる印象です。
製造・技術・営業、どんな部署に対しても「本質的に考えたとき、これってどうなんですかね」といった質問をしてくださるので、こちらも「確かにそうですね」と根本的な部分に立ち返れます。
人は物事に対して、つい自分の中でストーリーや理屈をつけて方向を見失ってしまうことがあると思うのですが、段原コーチはそうなったときにちゃんと本質である「目標に対して効果的かどうか」という立ち位置に戻してくれます。
だから、客観視してくれる存在であり、道から外れそうになったら軌道修正してくれる存在ですね。
導入に迷ったら、先ずはお試し体験ミーティングやオブザーブ参加で雰囲気を知るのがおすすめ
QUESTION
すごい会議をどんな企業や経営者におすすめしたいですか?
今何かしらの問題を抱えている会社はもちろん、弊社のように「問題はないけれど、もっとこんな風に変えていきたい」という会社にもおすすめしたいです。
どんな会社でも効果を感じられると思うのですが、強いて言えば、社員数が1名~数名という規模の会社よりも、数十名以上いる規模の会社の方がより効果的ではないかと思います。
人数が少ない会社であれば1対1の会話がすぐにできると思うのですが、人数が増えれば増えるほど、どうしても1対多数のコミュニケーションになり、同じ言語や認識をもつことが難しくなっていきます。
そうした場合にすごい会議を導入して、メンバーが同じ言語や認識をもって、同じ目標に向かっていくという体制を作るのは非常に価値があることだと思います。
QUESTION
最後に、導入を検討している経営者の方に対してメッセージをお願いします。
迷われているのであれば、まずはお試しで体験ミーティングされることをおすすめします。弊社も体験ミーティングで価値を感じ、導入に至りました。
お試し体験の他にオブザーバー参加という方法もあるので、お知り合いの企業さんに「オブザーブ参加をしてみたい」とお願いして、どんなことをしているのか、どんな雰囲気なのかを知るのも良いと思います。
オブザーブ参加の場合は、できれば社長さんだけではなく幹部の方や社員の方も一緒に見学されると、より検討しやすくなるのではないでしょうか。
経営者の方だけで決めるよりも、社員の方と体験を共有することで、導入後のイメージをよりつかみやすいと思います。
ぜひ、そういった形でお試し体験やオブザーバー参加をされてみてください。
本日は貴重なお話、ありがとうございました!
2023.6.16