UENO-SHOUKAI
コロナ禍の危機が成長のチャンスに!
チームが自走する仕組みづくりを実現し、
縦割りから横串のコミュニケーションが活発に起こる組織へ変化!
株式会社上野商会
代表取締役社長 小野寺重彦
販売部 山田敬太郎
- 会社名
- 株式会社上野商会
- 設立
- 1957年
- 資本金
- 4億9,682万円
- 従業員数
- 500名
- 事業内容
- ●「AVIREX」「B’2nd」「Schott」「ROYAL FLASH」等のアパレルブランド等のメンズウェア・レディスウェア・キッズウェアの企画・生産・輸入 ●専門店・百貨店への卸売 ●直営店での小売販売
コンサルティングを依頼した感想
これまで順調に経営していたが、コロナ禍で一転して窮地に
導入済の社長からお勧めされ、90分の組織コーチング体験で価値を実感し導入
QUESTION
まず御社の事業内容を教えてください。
(小野寺)「AVIREX」「B’2nd」「Schott」「ROYAL FLASH」等のアパレルブランドを展開しております。
1947年に創業し、1986年に米ブランドAVIREX(アビレックス)の輸入総代理店になったことを転機に会社が大きく発展、現在ではAVIREXだけで33店舗展開してます。
売上高は、上野商会全体で約150億円ですね。
QUESTION
導入前の状況と問題意識、なぜ導入したかについて教えてください。
(小野寺)私が社長に就任したのが2020年の5月で、組織コーチングを導入したのは2021年2月です。
2020年はコロナ禍で営業も満足にできず、経費削減に主眼を置いた引き算の仕事ばかりでした。
さらに、2018年に会社統合があったため、早期退職に関する事柄などとにかく内向きの仕事が多い状況でした。
売上も下がり続け、「こうした内向きの、引き算の仕事ばかりではどうにもならない」と感じていた時に、株式会社スタージョイナスの松下社長から、「組織コーチングを試してみたらどうか」とアドバイスいただきました。
以前から、スタージョイナスさんが組織コーチングを導入して組織改革が上手く進んでいると聞いていたので(※)、山田さんを含む主要メンバー数名を連れて見学に行きました。
そこで松下さんから「こうした会議体を入れて機能的に自走できる組織の仕組みづくりが重要だ」とお話いただきました。
確かに、上野商会は横串の動きが強い会社ではなかったので、組織コーチングを導入することでそうした部分を改善できれば、このコロナ禍の引き算ばかりの状況から脱却するきっかけになるのでは、と感じて導入を決定しました。
(※)株式会社スタージョイナス 松下一英社長の組織コーチング導入事例記事
QUESTION
山田さんも、導入前の問題意識について教えてください。
山田)コロナという今までにないことが起こり、売上にも大きく影響し、今までの普通では通用しないということを思い知らされた状況でした。
実は弊社はずっと黒字で安定してやってきていたのですが、逆にピンチになると立ち上がり方が分からないという問題があったんです。
コロナでこれまでにないピンチを迎えたけど、どう立て直せばいいのか、そのやり方が分からなかった。
そんな時にスタージョイナス松下さんから紹介を受けたのですが、僕個人は正直最初あまり信用していなかったんです。
「そんなことじゃ変わらないんじゃないの?」と感じていました。
QUESTION
最初は信用していなかったということですが、最終的に導入に賛成されたのはどうしてだったのでしょうか?
(山田)導入前に、段原コーチが90分の組織コーチング体験を実施してくださり、そこでやり方が腑に落ちたことが理由ですね。
僕は、上野商会は日本一の販売員の集まりだと思っているのですが、でもそれは無免許のF1レーサーみたいな感じというか、良い時はすごい勢いでブーン!って行けるけど、曲がり方が分からない、みたいなやり方なんですよ。
組織コーチングはその曲がり方というか、勢いだけじゃない考え方や言葉の使い方を教えてくれると感じたので、「これは良いかも!」という考えに変わり、導入に賛成しました。
数値を分解しKPI・KGIを考える癖付けにより、組織が徐々に変化
縦割りだった組織に横串が入り、コミュニケーションも活発化
QUESTION
導入によって起こった最も大きな変化は何ですか?
(小野寺)最も大きい変化は、目標や数字を分解したり掘り下げたりして、文字や数値として可視化しようとするようになったことでしょうか。
これまで上野商会ではKGI(重要目標指標)やKPI(重要成果指標)という言葉は一切使われていなくて、ただ予算と目標があって、経験と勘頼りに進んでいくような形だったんです。
それが、目標や予算の数字を分解してKGIやKPIを考え、戦略的フォーカスを掲げて、マイルストーンを置いて、そうやって可視化して管理していくということをやるようになりましたね。
QUESTION
その変化はどのようにして起こったのでしょうか?
(小野寺)月1回の問題解決会議やその間にある週に1回の金脈会議(進捗会議)などで、みんなでKPI・KGIの達成動向をチェックしたり、コミットメントを掲げたり、達成度合いを認識してそれに合わせたサポート含めてやっていく、という仕組み化ができたからですね。
仕組み化ができたことによって、組織自体が以前と比べ劇的に変わりました。
QUESTION
ありがとうございます。山田さんも、最も大きな変化について教えてください
(山田)僕が感じている一番の変化は、横のつながりができたことですね。以前は自分の部門や仕事以外に正直興味がなかったし、他部門がどんな仕事をしているかも知りませんでした。それは僕や僕のいる販売部だけではなくて、どこもそうでした。
それが、金脈会議などで各部門やブランドを超えてみんなが集まって、とにかく話をするようになりました。
それによって、縦割りだった組織に横串が入ったというか、コミュニケーション自体が活発になったと思います。
とにかく、これまで話さなかった社員同士がよく話すようになりましたね。
久々のヒット商品が誕生し、成功事例を元に企画が次々と起こるように
QUESTION
数値的な変化について教えてください。
(小野寺)大きく変わったのは、セット率(平均買上げ点数)です。
セット率は売上に直結する重要な指標ですので、金脈会議でコミットメント化して、ロールプレイング(模擬接客)含めて徹底してます。
コロナ禍で客数が減ってる中では、セット率の改善で売上を上げていくことが重要ですので、その意識づくり含め、会議による効果が出ています。
(山田)他には、スポットコラボ商材の成功がありますね。
AVIREXブランドで『HAPPY ARMY』というプロジェクトチームを立ち上げて会議をおこなっているのですが、そこでスポット&コラボというカテゴリを作りました。
市場に合わせた商品を随時投入したり、他社や他ブランドとのコラボレーション商材を入れるといった、スポット&コラボの枠を30%とって、市場に合わせた商品を随時投入したり、他社や他ブランドとのコラボレーション商材を入れて新規顧客をとっていきましょう、という取組みです。
それを進めていったところ、久々にヒット商品ができたんです。
この成功事例をもとに他の企画も色々動くようになりました。
ですので、スポット&コラボ商材の新たな売上ができたことも、導入による数値的変化の1つかなと思います。
メンバー全員が変化し、素直に実行するように
楽しんでやることで、下の人間にも自然と良い影響が派生
QUESTION
最も大きく変わったメンバーはどなたでしょうか
(小野寺)まず、ここにいるPMO(プロジェクト・マネジメント・オフィサー)をやってくれている山田さんですね。
彼は元々販売部門なのですが、PMOになったことで各セクションのコミットメント管理や横断的な計数管理など、幅広く活躍してくれています。
さまざまな立場の人から相談事やディスカッションを受けることで、マネジメント能力が格段に上がってきていると思いますね。
それから、MDのメンバーも計数的な数字の分解やコミットメント管理を身に付けたことで、より仕事の精度が上がっていると思います。
QUESTION
ありがとうございます。山田さんはいかがでしょうか?
(山田)メンバー全員ですね。
最初僕も組織コーチングを疑っていたと言いましたが、始まってみると、僕含めみんなすごく素直に言われたことを実行しているんですよ。
しかも楽しんでやれているので、下の人間にも自然と良い影響が派生していく。そういう変化は感じますね。
コロナがあって売上も最悪の状態だったので、「このままやっていてもダメだ。やるしかないし、変わるしかない」という危機感は全員が一致していたと思います。
そういう意味で、素直に変化せざるを得ない絶妙なタイミングだったのかもしれません。
問題に対してポジティブに取り組む姿勢へと大きく変化
主張しやすい雰囲気がつくられ、みんなが積極的に発言するように
QUESTION
チームはどんな風に変化しましたか?
(小野寺)問題に対してポジティブに取り組む姿勢へと大きく変わりました。
みんなで自然とコミュニケーションをとりながら、問題解決の4ステップ(組織コーチングの問題解決方法)を踏まえ、コミットメント化して解決していく姿勢が身に付きましたね。
昔は問題点があっても可視化されていない状態というか、そもそも各部門が分断されていて問題に関する情報共有がされていませんでした。
長年黒字だったので、問題を解決しなくてもOKと言うような、そんな甘えもあったかもしれません。
(段原)上野商会さんは、“ひどい真実”に対する姿勢が変わったと思います。
最初の戦略会議で「ひどい真実を出してください」と言ったら、めちゃくちゃ出てきて。
ひどい真実ってあればあるほど、どうしようもないと思われがちですが、僕には逆に見えていて。
これだけひどい真実があるなら、それを改善すればすぐに利益が出るようになるだろうと思いました。
“ひどい真実”をどんどんテーブルに上げることが出来るようになっていることも、チームの大きな変化ではないかと思います。
QUESTION
山田さんはチームの変化はどのようなものがあったと思われますか?
(山田)みんなが積極的に発言するようになりましたね。
自分の意見をしっかり言う、それを言ってもいい雰囲気ができた、このことが大きいと思います。
QUESTION
そういう風に変化した理由はどこにあったのでしょうか?
(山田)それはもう、「私が言うには」という言葉を覚えたことです。
組織コーチングでは万能な言葉というか、気付きのある言葉をたくさん教えてもらえるのですが、「私が言うには」とみんなが枕詞に付けることで、お互いに意見を言いやすい雰囲気ができました。
捉え方によって悪口のようになってしまうことも、「私が言うには」と付ければ、お互いに「この人の一意見なんだな」とクッションを置いて、お互い受け止めあって話し合える。みんながそういう言葉を覚えたことが非常に大きいです。
ちなみに本当に言いにくいことは、最終手段として「精霊が言うには」って言っています(笑)。
「俺が言っているんじゃなくて、精霊がそう言っているよ」と(笑)。
情報も意思決定のプロセスもオープンに
意思決定者が変わっても転用可能な自走する組織づくりのプロセスが手に入った
QUESTION
ご自身はどのように変化しましたか?
(小野寺)私自身としては、みんなのアイデアや意見を聞きながら最終的に意思決定するプロセスを手に入れたことでしょうか。
以前の上野商会は、一部経営幹部だけが情報と数字を握っていて意思決定する組織体でした。
それが、組織コーチングを通して、情報共有も意思決定のプロセスもオープンになりました。
みんなの意見を集約して意思決定できるようになったこと、その経験と方法を私自身が手に入れられたことが大きいです。
また、これなら別の意思決定者が立っても同じようにできますし、それを積み重ねることで自走する組織づくりができると思いますので、その面でも良かったですね。
QUESTION
山田さんから見て、小野寺さんはどのように変化したと思いますか?
(山田)現場に近くなったと感じます。
社長業もちゃんとやりつつ、販売に寄り添って「数字を一緒に上げていこう」と考えてくれていると感じますね。一番わかりやすいところだと、小野寺社長は毎日AVIREXの服を着てくれていますし、そういうところでも本気だな、と。
元々管理部にいらっしゃったので、その時は販売部の我々にとっては怒ってくる人というか、「経費!」って言ってくる人という印象でした(笑)
それが社長になられて、組織コーチングを経て、一緒に「売上!」と言ってくれる人になった、より販売の味方になってくれたという印象ですね。
QUESTION
では続いて山田さん、ご自身の変化について教えてください
(山田)物事を考える癖が付いたというか、何かをやる時に「何が目的なのか」を考えられるようなってきていると思っています。
例えば販促計画書があった時に、以前なら「前年比何%の売上ならやる・そうでないならやらない」といった判断だったんですが、
今は「そもそもこの販促の成果指標は何?」というところを考えてから判断するようになりました。
極端な例ですが、その販促の目的が新規顧客獲得なら、利益ゼロでも新規獲得できれば成果はありますよね。
逆に、利益目的ならそもそもその販促自体が無意味なこともある。そういったことを考えられるようになったと思います。
(段原)手段と目的をセットで考えられるようになったんですね。
(山田)そうです。やらないという判断をする場合も、以前は「高いからダメだよ」とかだったのが、「こういう目的だったら、それに沿っていないからダメでしょ」という判断ができるようになりました。
そうすると、聞いている側も「なるほど、そうですね」と腹落ちしてくれるようになったと思います。
一番の価値は、組織やプロジェクトが自走する仕組みづくりができること
縦割りの強い組織が、横串のプロジェクトをスタートすることが可能に
QUESTION
組織コーチングの一番の価値はどんなところにあると思われますか?
(小野寺)組織が自走できるような仕組みづくりができることです。
自分たちが現場のマネジメントを体系化し、コミットメント化して解決していく、それを回していくことで自走できる組織となり、スタッフ一人ひとりが自然とレベルアップしていく。
そんな組織づくりができることが、一番の価値だと思います。
実際に、弊社でもさまざまなプロジェクトや会議体を立ち上げ、それぞれが意思決定者とPMOを立てて、自分たちで問題を出し合って解決していく仕組みができつつあります。しかも、今まで縦割りの強い組織だったのが、部門やブランドを横断した横串のプロジェクトとしてスタートできている。
今期からそういう仕組みづくりをスタートできたことは非常に大きいですね。
QUESTION
山田さんは、一番の価値はどこにあると思われますか?
(山田)発言の型や、これまで使えなかった言葉を手に入れられることですね。
恥ずかしい話なのですが、僕自身これまでカスタマージャーニーやカスタマーサクセスといった言葉や考え方を知りませんでしたし、知っているようで分かっていないことも多かったのですが、それらを改めてしっかり手に入れられたことは大きな価値がありました。
さきほど「私が言うには」という言葉でコミュニケーションしやすくなったと話しましたが、他にも例えば何か案を提示された時に「それ、効果的ですか?」と聞く癖もつきましたし、そうやって聞いた方が相手も納得して考えてくれます。そういう言葉や考え方が身に付くことに価値を感じています。
段原コーチは社長でも社員でも忖度なくビシバシ指摘してくれる人
外部からしがらみなく言ってくれることが重要
QUESTION
お二人にとって、段原コーチはどういう存在でしょうか?
(小野寺)そうですね、お金を払ってケツを叩いてくれる人というか(笑)。とにかく上野商会の悪い点、改善すべき点も忌憚なくビシバシ指摘してくれて、ケツを叩いて望む方向に導いてくれる存在ですかね。
やはり身内同士は甘えたり忖度が働いたりするので、外部からしがらみなく言ってくれるコーチの存在は重要だと感じています。
(段原)嬉しいですね。忖度なく、お金払って叱られる、って面白いですね(笑)。
QUESTION
山田さんはいかがでしょうか?
(山田)スポーツでいうところの審判のような、平等に公平にジャッジして、外から気付かせてくれる存在ですね。
一番それを感じたのは、先日スタージョイナスさんの会議に参加させていただいた際に、段原コーチが松下社長にも「それ、効果的ですか?」の言葉を使ってどんどん指摘されていたんですよ。
その時に、どんな相手も変わらず忖度なしにやってくれているんだと思って、信用できると感じました。
小野寺社長ばかりいじめて、松下さんには「ですよね~」とか言っていたらどうしようかと思っていたんですけど(笑)。
(段原)誰が相手でも変わらずにやっていますよ(笑)。それが一番クライアントの本当に得たい成果を手に入れるのに効果的ですしね。
過去の成功体験をひきずって変われない企業や、ピンチな企業におすすめ
どうにかして良くしたいと思っている経営者は、ぜひ試してみて
QUESTION
組織コーチングをどんな企業や経営者におすすめしたいですか?
(小野寺)過去の成功体験やしがらみなど、そういったものに引きずられてやり方を変えられない企業におすすめしたいですね。
弊社もなかなか行動や施策をなかなかチェンジできなかったのですが、ちょうど主要メンバーが代替わりしたタイミングで組織コーチングを導入でき、みんなで意思決定のやり方や、考えや施策の精度を上げていくことができました。
行き詰まりを感じている企業には、ぜひ試してみてほしいと思います。
QUESTION
山田さんはいかがでしょうか?
(山田)ピンチな企業ですね。
ピンチに陥って、やるべきことや進み方が分からなくなっている企業。
ただ、ピンチな企業と言っても、変化を受け入れるパワーがないと上手くいかないと思います。
上野商会はパワーだけはあるというか、ピンチでもみんな「やるしかない!」となれたから、成果が出たのだと感じています。
ですから、おすすめしたい企業としては、ピンチだけど、そこで真剣にやれるだけのパワーをもっている企業ですね。
QUESTION
では最後に、導入を検討している経営者の方に一言ずつメッセージをお願いします。
(山田)行き詰まっていて何をしたらいいか分からないけれど、どうにかして良くしたい、そう思っている経営者の方はぜひ試してみてください。
ただ、中途半端にやると痛い目に遭うと思うので、ちゃんと覚悟をもってやることが大事だと思います。
覚悟をもって会社を良くしようと思えるなら、おすすめできます。
(小野寺)本当に変わりたい、会社を変えたいという経営者の方におすすめします。
ただし、そのマインドを社員と共有できないと難しいと思いますので、社員みんなを含めて変わりたいという経営者の方にはぜひおすすめしたいです。
ぜひ段原コーチについていってみてください!
本日は貴重なお話、ありがとうございました!
2021.9.22